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NSW CTP Claim
NSW CTP

NSW CTPのWPI(全身障害率)はどう評価されるか

WPIは、事故による永久障害をMotor Accident Guidelines Part 6の方法で評価した割合です。痛み、画像、手術名から本人が逆算する数字ではなく、傷害が安定した時点、事故との因果関係、客観的所見、適用する身体システムごとの方法を確認します。

NSW CTPのWPI評価はPart 6を第一に、同Partが採用するAMA4を併用します。基準傷害とは別の判断です。WPIが10%を超えることは特に非経済的損失(NEL)で重要ですが、身体的WPIと精神的WPIを合算して基準を超えることはできません。

NSW CTPのWPI評価で診療記録、客観的所見、評価方法、事故との因果関係を確認する資料
WPIは、該当する身体システム、評価方法、安定性、因果関係、既往障害を分けて確認します。

確認したい要点

手元の書類や問題に合わせて、このガイドで確認すべき点を短く整理します。

  • WPIが10%ちょうどならNELを請求できますか。

    一般にNELではWPIが10%を超えることが重要です。10%ちょうどは10%超ではありません。

  • 基準傷害ではなければWPIも高いですか。

    自動的には高くなりません。傷害分類と永久障害率は別の判断です。

  • 身体的WPIと精神的WPIを合算できますか。

    10%超の基準を満たす目的では合算できません。それぞれ別に評価します。

関連トピック

WPIが測るものと、測らないもの

WPI(whole person impairment)は、永久的な機能障害を全身障害率として表す医学法的評価です。治療費、週次給付、PAWE、仕事の損失額、最終的な損害賠償額そのものではありません。

診断が重い、手術を受けた、痛みが強いという一つの事実だけでは割合は決まりません。評価者は適用する身体システム、診察所見、測定、事故との因果関係、状態の安定性を説明する必要があります。

Motor Accident Guidelines Part 6とAMA4の関係

現在のNSW CTP評価ではMotor Accident Guidelines Part 6が決定的な基準です。Part 6はAMA Guides第4版(AMA4)を基礎としますが、重要な修正があり、Part 6が扱う事項ではPart 6を優先します。Workers compensationのAMA5ルールをCTPに移すことはできません。

例えば脊椎はDRE方法を用い、脊椎ROMモデルやAMA4 Table 75を使って割合を決めません。上肢・下肢では関節可動域、特定の損傷、置換術の点数評価など、該当する方法を使い分けます。

評価時期、事故との因果関係、既往障害

WPI評価は、傷害が十分に安定し、今後の治療で大きく変化する可能性が低い時点で行う必要があります。手術や重要な治療変更が予定されている場合、評価が早すぎることがあります。

事故で生じた障害と事故前から存在した障害を区別します。ただし画像に変性があるだけで自動的に控除されるわけではありません。事故前記録、事故後の変化、臨床経過を基に、控除の理由と方法が説明されているか確認します。

身体システムごとに評価方法が異なります

  • 脊椎:DRE分類、radiculopathy、骨折・手術所見などを確認し、脊椎ROMモデルは使用しません。
  • 肩・腕・手:能動的関節可動域、神経損傷、特定の関節・腱損傷を適切な方法で評価します。
  • 股・膝・足:最も具体的な方法を優先し、置換術は手術名ではなく点数評価、gait derangementは限定的な最終手段です。
  • 神経系:認知、運動、感覚、意識、発作、脳神経など客観的な障害を確認します。
  • 精神的障害:精神科医がPIRSを用いて別に評価します。

10%超が重要なのは特に非経済的損失です

Motor Accident Injuries Act 2017では、非経済的損失(痛みや生活への非金銭的影響)について、事故によるWPIが10%を超えることが重要です。10%ちょうどは10%超ではありません。

この基準を損害賠償全体の唯一の基準として扱わないでください。基準傷害分類、過失、因果関係、経済的損失、損害賠償手続は別に判断します。また、身体的WPIと精神的WPIは10%超を判断するために合算できません。

WPIを単独では証明しないもの

痛みの強さ、画像上の異常、手術歴、仕事を休んだ期間、診断名のいずれか一つだけではWPIを確定できません。Part 6 clause 6.38により、痛みについて別個のWPIを加算せず、AMA4 Pain chapterは使用しません。

手術が固定WPIを生じさせるわけでもありません。検査の再現性、測定方法、診療記録との整合、同じ機能を重複評価していないかを確認します。

脊椎WPI、radiculopathyとTable 6.8

脊椎WPIでは、radiculopathyが客観的に確認されているかがDRE分類に影響します。首や腰から腕・脚へ痛みが走るという訴えだけでは足りません。Motor Accident Guidelines Table 6.8が示す臨床徴候のうち、関連する反射の消失・左右差、陽性の神経根緊張徴候、筋萎縮または四肢周径差、解剖学的に局在する筋力低下、再現可能で局在する感覚低下など、少なくとも二つが必要です。

評価報告では、どの徴候が、どの神経根分布に、どの検査で再現されたかを確認します。筋萎縮は左右の同じ位置で測定し、筋力低下や感覚低下は既知の解剖学的分布と整合する必要があります。

「radicular pain」と書かれていることやMRIにdisc bulgeがあることだけでは、Table 6.8の要件を満たしません。画像は病歴と診察所見を補強する資料であり、臨床徴候の代わりにはなりません。

脊椎DRE分類とfusion・disc replacement

NSW CTPの脊椎評価では、Part 6で修正されたDiagnosis-Related Estimate(DRE)方法のみを使います。脊椎ROMモデルとAMA4 Table 75は使わないため、診察日にどこまで前屈できたかだけで脊椎WPIを計算することはできません。

DRE Iは症状があっても客観的所見がない場合、DRE IIはradiculopathyやより高度な構造損傷を伴わない臨床所見、DRE IIIは確認されたradiculopathyや一定の骨折所見が中心です。DRE IV・Vは、より重大な構造的損傷、骨折・脱臼、fusionやdisc replacementの扱い、radiculopathyの有無をPart 6の各脊椎領域表に照らして判断します。

Clause 6.145と6.146はspinal fusionとintervertebral disc replacementをmultilevel structural compromiseとして扱いますが、手術に一律の固定WPIを与える規則ではありません。評価者は脊椎領域、適用DRE区分、客観的所見、radiculopathy、事故との因果関係、安定性、根拠のある既往障害控除を説明しなければなりません。

上肢・下肢のROMはどのように評価されるか

ROM(関節可動域)は脊椎WPIには使いませんが、Part 6とAMA4が認める上肢・下肢の評価では使うことがあります。原則として本人が動かす能動的ROMを測り、必要に応じてgoniometerを使い、結果にばらつきがあれば測定を繰り返して信頼性を確認します。

肩では、flexionは腕を前・頭上へ上げる動き、abductionは横から上げる動き、external rotationは洗髪や頭の後ろへ手を回す動き、internal rotationは背中へ手を回して着替える動きに関係します。信頼できる測定値を該当するAMA4図表で上肢障害率に換算し、必要な場合は反対側の基準値を上肢段階で控除してからAMA4 Table 3でWPIへ変換します。

下肢では、膝・足関節ROM、靱帯、半月板、関節置換などについて最も具体的で有効な方法を選びます。関節置換は手術名だけでなく点数評価を用い、gait derangementは他の適切な下肢方法が使えない場合の限定的な最終手段で、他の下肢方法と重複して合算できません。

精神的WPI:PIRSの六つの領域と計算手順

精神的WPIは、身体的WPIとは別にPsychiatric Impairment Rating Scale(PIRS)で評価します。六つの領域はself-care and personal hygiene、social and recreational activities、travel、social functioning and relationships、concentration・persistence・pace、adaptationです。

評価者は各領域をclass 1から5で評価し、六つのclass scoreを小さい順に並べ、中央のclass(median)と六つの合計(aggregate score)を求めます。例えば1、2、3、3、4、5ならmedian classは3、aggregate scoreは18です。Motor Accident Guidelines Table 6.17では、この組合せが22% WPIに換算されます。これは方法を示す例であり、本人が症状から自己採点するためのものではありません。

事故前から精神疾患があった場合は、同じ方法で事故前の精神的障害を推定し、証拠が支持する範囲で控除を検討します。身体的WPIと精神的WPIを足して10%超にすることはできません。

評価者に送る資料と報告書で確認する項目

  • 事故状況、保険会社の依頼・決定、評価する傷害の一覧
  • 病院、GP、専門医、画像、手術、リハビリ記録
  • 事故前の症状・治療・画像と事故後の変化
  • 関節測定、神経学的診察、認知・精神機能など方法別の所見
  • Certificate of Fitness、復職試行、OT・機能資料
  • 安定性、因果関係、既往障害控除、使用した条項・表の理由

Combined Valuesと既往障害控除の例

次の例は計算の考え方だけを示すもので、本人のWPIを予測する式ではありません。まず、それぞれの傷害について正しい方法で、事故と因果関係のある永久障害率が得られていることが前提です。

別々の身体システムについて8% WPIと4% WPIが認められたと仮定します。通常は単純に足さず、Combined Values Chartを使うため、結果は約12%です。二つ目の割合は残っている非障害部分に対して適用されます。

同じ関連領域に事故前から症状のある障害があり、証拠に基づく2%控除が必要なら、最終値が10%になる場合があります。10%ちょうどは10%超ではありません。10%を超えても、NELには過失、因果関係、損害賠償請求の他の要件が残ります。

WPI評価に同意できない場合

「割合が低すぎる」という結論だけではなく、どこに具体的な誤りがあるかを確認します。よくある確認点は、誤った身体システムや表、記録の欠落、信頼できない測定、早すぎる評価、事故との因果関係、根拠の乏しい既往障害控除、同じ機能の重複評価です。

保険会社の決定書、医療評価証明書(MAC)、依頼事項、評価者が実際に読んだ資料を並べ、誤りに対応する主治医・専門医の意見を用意します。一般的な「症状が重い」という意見より、該当条項と所見に結び付いた説明の方が有用です。

次の手続は文書の種類によって、保険会社への理由確認、PICの医学評価、法定根拠を満たすmedical assessment reviewなどに分かれます。期限も手続ごとに異なるため、法律事務所への連絡だけで期限が止まるとは考えず、決定日と受領日を確認してください。

現行の公式資料

この解説はSIRA Motor Accident Guidelines Part 6とMotor Accident Injuries Act 2017を基礎にしています。AMA4はPart 6が採用し、修正している範囲でのみ使います。

個別の決定では事故日、適用されたGuidelinesの版、評価した傷害と手続を確認してください。WPI評価を争う方法、NELの10%超要件、PICの医学評価も参照できます。

よくある質問

WPIが10%ちょうどならNELを請求できますか。
一般にNELではWPIが10%を超えることが重要です。10%ちょうどは10%超ではありません。
基準傷害ではなければWPIも高いですか。
自動的には高くなりません。傷害分類と永久障害率は別の判断です。
身体的WPIと精神的WPIを合算できますか。
10%超の基準を満たす目的では合算できません。それぞれ別に評価します。
手術を受ければ一定のWPIになりますか。
なりません。手術名だけでなく、適用方法、現在の所見、安定性、因果関係、既往障害を確認します。
MRIだけでWPIを計算できますか。
できません。画像は診察所見、機能、適用する評価方法と整合する必要があります。
脊椎WPIはROMで評価しますか。
NSW CTPの脊椎ではDRE方法を使用し、脊椎ROMモデルやAMA4 Table 75は使用しません。
痛みに別のWPIを追加できますか。
原則として別個に追加しません。Part 6はAMA4 Pain chapterの使用を認めず、関連する身体システムの割合に痛みが含まれます。
脊椎fusionやdisc replacementでWPIは自動的に10%を超えますか。
自動的には決まりません。Part 6はこれらをmultilevel structural compromiseとして扱いますが、脊椎領域、DRE区分、radiculopathy、因果関係、安定性、既往障害控除を適用して最終値を決めます。
精神的WPIはPIRSでどのように計算しますか。
六つの機能領域をclass評価し、median classとaggregate scoreを求め、Table 6.17でWPIへ換算します。身体的WPIとは別に扱います。
WPI報告に同意できない場合はどうしますか。
使用方法、所見、記録漏れ、因果関係、控除の具体的な誤りを確認し、決定に合う見直しまたはPIC手続を検討します。