NSW CTPの非経済的損失(NEL)とWPI 10%超の基準
非経済的損失(Non-Economic Loss、NEL)は、交通事故後の痛み、生活上の制限、楽しみの喪失など、金銭では直接測れない影響を扱う普通法上の損害賠償項目です。治療費や週次給付とは別で、WPI、過失、因果関係、損害賠償手続を分けて確認します。
NSW CTPでNELを請求するには、事故によるWPIが10%を超えることが特に重要です。10%ちょうどは基準を満たしません。基準傷害分類、過失、損害賠償資格はそれぞれ別の判断です。

確認したい要点
手元の書類や問題に合わせて、このガイドで確認すべき点を短く整理します。
WPIが10%ちょうどならNELを請求できますか?
一般に、NELにはWPIが10%を超えることが重要です。10%ちょうどは10%超ではありません。
基準傷害ではないと言われればNELも認められますか?
自動的には認められません。基準傷害分類とWPI 10%超は別の判断で、過失や損害賠償手続も別に満たす必要があります。
身体的WPIと精神的WPIを足して11%にできますか?
できません。身体的WPIと精神的WPIは、10%超の基準を満たすために合算できません。
痛みの金額ではなく法的要件を見る
非経済的損失はWPIだけで決まる「痛みの点数」ではない
非経済的損失(NEL)は、痛み、生活上の制限、楽しみの喪失など金銭以外の影響を扱う損害賠償項目です。法定給付の治療費や週次給付とは別です。
NSW CTPでは、事故によるWPIが10%を超えることがNELで特に重要です。10%ちょうどは「10%を超える」基準を満たしません。身体的WPIと精神的WPIを合算してこの基準を満たすこともできません。
WPIの基準を満たしても、過失、事故との因果関係、損害賠償請求の手続、寄与過失などは別に検討します。画像、手術、症状だけからWPIやNELの金額を逆算することはできません。
NELを検討するときに分ける証拠
- 事故による永久障害を適切な方法で評価したWPI報告
- 既往障害、因果関係、症状の安定性に関する医学的理由
- 日常生活、睡眠、移動、家事、社会参加への具体的影響
- 事故の過失と寄与過失に関する資料
- 経済的損失とは別の、非金銭的影響の時系列
非経済的損失(NEL)が扱うもの
NELは、痛みや苦痛、睡眠、移動、自立、家事、趣味、家族・社会生活への継続的な影響を扱います。医療費の償還や働けない期間の週次給付とは目的が違います。
事故後のつらさが現実であっても、症状の強さだけでNELの権利や金額が決まるわけではありません。永久障害の医学評価、事故との因果関係、過失、損害賠償請求の要件と証拠が必要です。
非経済的損失の基準はWPI 10%超です
NSW CTPの非経済的損失では、事故による全身障害率(WPI)が10%を超えることが重要です。10%ちょうどはこの基準を満たしません。
WPIは症状や画像から本人が逆算するものではありません。傷害が十分に安定した段階で、Motor Accident Guidelinesが採用する方法と該当するAMA4の身体システムに沿って評価し、事故との因果関係や既往障害も理由を示して扱います。
基準傷害とWPIは別の法的問題です
基準傷害は傷害の法的分類で、法定給付の期間や普通法上の損害賠償に影響します。WPIは永久障害の程度を割合で評価する医学上の問題です。一方の結論から他方を自動的に推測することはできません。
たとえば脊椎の画像異常、手術歴、痛みの放散があっても、それだけで基準傷害ではない、またはWPIが10%を超えるとは限りません。診断、客観的所見、因果関係、適用方法を確認します。
身体的WPIと精神的WPIは合算できません
身体的傷害と精神的傷害は、それぞれに適用される方法で別に評価します。非経済的損失の10%超基準を満たすために、身体的WPIと精神的WPIを足し合わせることはできません。
精神的傷害では、症状だけでなく正式な診断、事故との因果関係、治療経過、機能への影響と適用する精神障害評価方法が必要です。身体的傷害の痛みと精神疾患による障害を重複して評価しないことも重要です。
WPI報告で確認すべき医学的内容
- 事故で生じた診断と、事故前から存在した状態の区別
- 傷害が十分に安定していると判断した理由
- 診察、測定、画像、神経学的検査など適用方法に必要な所見
- Motor Accident GuidelinesとAMA4のどの方法・表を使用したか
- 既往障害の控除、因果関係、重複評価に関する理由
- 身体的評価と精神的評価を別に示しているか
生活への影響は具体的な経過で説明する
NELの生活影響は「痛い」「以前のようにできない」という結論だけでなく、事故前後の変化を具体化します。歩行・運転時間、睡眠、着替え、家事、育児、趣味、対人関係、治療後の回復時間などを診療記録と整合する形で残します。
良い日があることは継続的な障害を自動的に否定しません。一方で、日記や家族の説明だけが医学的WPIを決めるものでもありません。医学評価と生活影響の証拠は役割を分けて使います。
WPI基準を満たしても過失と損害賠償手続は残ります
WPIが10%を超えることはNELの重要な要件ですが、相手方の過失、事故との因果関係、寄与過失、損害賠償請求の手続が自動的に解決するわけではありません。
同様に、WPIが10%を超えない場合でも、他の法的要件を満たす損害賠償請求で経済的損失が問題になり得るかは別に検討します。NELの基準をすべての損害賠償の単一基準として扱わないでください。
保険会社または医学評価に同意できない場合
まず評価書の結論ではなく、使用した方法、欠けている診療記録、因果関係、既往障害の控除、測定、適用表、理由を確認します。症状が重いという一般的な反論だけでは、方法上の誤りに答えられません。
次の手続と期限は決定の種類により異なります。内部見直し、PICの医学評価、review panelその他の手続のどれが適切かを決定書と現行規則に照らして確認します。法律事務所への連絡だけで期限が延びることはありません。
初回確認に用意する資料
- WPI報告、医学評価証明、review panelまたは保険会社の決定
- 事故前後のGP・専門医・病院記録と画像
- 手術記録、リハビリ記録、治療経過
- 事故前の既往歴と事故後の機能変化
- 過失に関する警察資料、映像、目撃者
- 決定日、受領日、書面に記載された期限
よくある質問
- WPIが10%ちょうどならNELを請求できますか?
- 一般に、NELにはWPIが10%を超えることが重要です。10%ちょうどは10%超ではありません。
- 基準傷害ではないと言われればNELも認められますか?
- 自動的には認められません。基準傷害分類とWPI 10%超は別の判断で、過失や損害賠償手続も別に満たす必要があります。
- 身体的WPIと精神的WPIを足して11%にできますか?
- できません。身体的WPIと精神的WPIは、10%超の基準を満たすために合算できません。
- 手術を受ければWPIは必ず上がりますか?
- いいえ。手術は固定のWPIを生じさせません。適用方法、現在の臨床所見、安定性、因果関係に基づき評価します。
- 痛みが強ければNELの金額も高くなりますか?
- 痛みは重要な生活影響ですが、それだけで権利や金額は決まりません。WPI、過失、因果関係、具体的な非金銭的影響を検討します。
- 画像上の異常だけでWPIを証明できますか?
- 通常は画像だけでは足りません。適用する評価方法に必要な診察所見、機能、因果関係と記録の整合性が必要です。
- WPIが10%を超えなくても経済的損失を請求できますか?
- NELのWPI基準と経済的損失は別の問題です。経済的損失は過失、傷害分類、因果関係、損失など別の要件を個別に確認します。
- 日本語でWPI報告や決定書を送れますか?
- 質問と事故経過は日本語で送ることができます。通訳・翻訳支援は案件ごとに確認し、特定の弁護士が日本語を話すことを保証するものではありません。