頭顔面の傷害
交通事故後の顔面損傷・顔面瘢痕:NSW CTPの証拠とWPI
交通事故では、顔面骨折、裂傷、神経損傷、永久瘢痕が生じます。評価では写真だけを見るのではなく、外観の変化、表情・知覚機能、眼瞼・鼻腔・口腔への影響と、同じ損失が他の身体区分ですでに評価されていないかを確認します。
このページは NSW CTP に関する一般情報であり、法律・医療上の助言ではありません。基準傷害、後遺障害率(WPI)、損害賠償は別の問題であり、事故状況、医学資料、現行ルールに基づいて個別に判断されます。

事故と診断
交通事故でどのように生じる傷害か
エアバッグ・ハンドル・車内への衝突
顔面への直接力で顔面損傷・顔面瘢痕、骨折、歯、関節、神経、軟部組織が損傷し得ます。
二輪車・自転車の転倒
顔面が路面に接触し、裂傷、骨折、歯の破折、咀嚼制限が併存することがあります。
歩行者事故
車両接触と転倒で複数の頭顔面傷害が生じるため、構造と機能を別々に確認します。
実際に生じ得る傷害
- 眼窩・鼻骨・頬骨・上顎・下顎骨折
- 顔面裂傷、組織欠損、植皮
- 顔面神経・三叉神経損傷
- 永久瘢痕、色素変化、輪郭の左右差
主な症状と生活への影響
- 顔面痛、しびれ、表情筋の弱さ
- 目立つ瘢痕、つっぱり、かゆみ、過敏
- 眼瞼閉鎖、鼻呼吸、口の動きの障害
- 対人場面や日常の顔面ケアへの影響
早急な受診が必要な症状
視力変化、眼球運動制限、鼻や耳からの持続的な液体、顔面麻痺、強い出血、咬合変化は、顎顔面・眼科または救急で速やかに評価する必要があります。
医学的証拠
評価で重視される検査所見
顔面損傷・顔面瘢痕は痛み、症状、単一画像だけで決まりません。初期診断、事故因果、専門検査、手術・治療、客観的機能検査、現在の日常制限を一つの証拠経過として確認します。
| 検査・資料 | 確認できること | それだけでは決められないこと |
|---|---|---|
| 標準化写真と顔面機能診察 | 状態安定後に瘢痕の位置、長さ、色、質感、輪郭、表情、知覚、関連器官の機能を記録します。 | 初期の写真1枚、治療費、本人の羞恥感だけではWPIを決められません。 |
| 顎顔面・歯科診察と画像 | 骨折、歯、咬合、TMJ、開口、咀嚼、神経、瘢痕を記録します。 | 外観写真・痛みだけでは全機能やWPIは決まりません。 |
| 手術、歯科模型、経時写真 | 修復経過、安定結果、咬合変化、永久外観・機能を示します。 | 治療費・手術回数は固定障害率ではありません。 |
基準傷害
基準傷害に該当する可能性
顔面打撲や治癒した表在性軟部組織損傷は基準傷害となる場合があります。骨折、神経損傷、組織欠損、裏付けのある永久構造損傷はnon-thresholdを支持し得ます。心理的影響は別の精神科基準で扱います。
後遺障害評価
NSW CTP における WPI の評価方法
顔面損傷・顔面瘢痕の基準傷害分類とWPIは別です。状態が十分に安定した後、損傷臓器・系統についてMotor Accident Guidelines Part 6が採用するAMA4方法で評価します。根拠はMotor Accident Guidelines Part 6, clauses 6.189-6.191 and 6.258-6.266; AMA4 Chapter 9 section 9.2 and Table 4 (pages 229-230); AMA4 Chapter 13.です。
| 評価方法 | 根拠 | 用いられる場面 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 顔面機能・変形法と皮膚瘢痕法 | Motor Accident Guidelines Part 6, clauses 6.189-6.191 and 6.258-6.266; AMA4 Chapter 9 section 9.2 and Table 4 (pages 229-230); AMA4 Chapter 13. | 残存する問題に応じてAMA4 Chapter 9の顔面法またはChapter 13/TEMSKIをPart 6の修正に従って用います。 | 同じ瘢痕・機能を顔面と皮膚の両方で重複評価できず、外観影響と精神科WPIも分けます。 |
| 事故因果、安定性、既往障害 | Motor Accident Guidelines clauses 6.19–6.24 | 事故による永久機能、治療後の安定性、裏付けのある既往障害控除を判断します。 | 既往歴、年齢、一般的変性だけで理由なく自動控除できません。 |
可動域や機能制限が日常生活で意味すること
- 表情と対人コミュニケーション
- 眼瞼、鼻、口、顔面の清潔
- ひげそり、化粧、日焼け対策、瘢痕ケア
- 食事、発話、知覚低下からの保護
重複して合算できないもの
- 同じ症状・臓器機能を複数表で重複評価できません
- 複数の独立臓器に評価可能な障害がある場合のみPart 6の組合せ規則を用います
- 痛みは通常、該当臓器・系統に含まれ、AMA4 Chapter 15を別加算しません
0%または評価対象外となり得る場合
- 顔面損傷・顔面瘢痕が完全に回復し、適用方法が求める永久機能障害がない
- 症状、画像名、手術歴だけで安定した客観的機能損失がない
- Guidelines上評価不能、または事故因果の裏付けがない
裏付けがあれば評価に影響し得る要素
- 顔面損傷・顔面瘢痕に一貫した専門診断、客観検査、安定機能異常がある
- 手術・臓器損傷後に正しい表で評価可能な機能影響が残る
- 事故前後資料で既往状態と事故変化を区別できる
それだけでは通常足りないもの
- 急性腫脹時の写真だけ
- 安定した記載のない「傷跡がある」という説明
- 痛みや恥ずかしさだけ
- 顔面表と皮膚表の重複使用
具体的な検討例
画像上は治癒したが症状が残る場合
顔面損傷・顔面瘢痕の症状だけでWPIになるとは限りません。適用方法が客観的機能損失を求めるか、その損失が永久で事故によるかを確認します。
重大な治療後に安定機能障害が残る場合
専門医が顔面損傷・顔面瘢痕、事故因果、客観検査、現在機能を結び付けた場合、該当Part 6方法を検討できます。手術自体に固定率はありません。
資料の準備
証拠チェックリスト
- 事故、救急外来、最初のGP記録
- 事故前の関連臓器・疾患・検査資料
- 保険会社決定、IME、PIC資料
- 治療、薬剤、手術、リハビリ、現実機能の時系列
- 事故直後・手術前後の標準化写真
- 顎顔面・形成外科診療録と手術記録
- 顔面神経、知覚、眼・鼻・口の機能診察
- 成熟瘢痕、修正治療、長期機能の記録
保険会社の決定を受け取った後の対応
まず、その決定が治療、基準傷害、WPI、就労能力、損害賠償のどれを扱っているかを分けます。異なる争点を一つの一般的な反論にまとめず、理由ごとに医学資料を対応させることが重要です。
1
決定理由を確認する
決定日、再審査の案内、保険会社が用いた診断と資料を特定します。
2
医学資料の不足を補う
主治医や専門医に、因果関係、客観所見、治療、残存機能を理由付きで説明してもらいます。
3
手続期限を守る
内部再審査や PIC の手続を早めに確認し、治療継続で期限が延びると考えないでください。
資料を送って初回確認を受ける
よくある質問
- 顔面損傷・顔面瘢痕は必ず非基準傷害ですか?
- いいえ。分類は裏付けのある構造・臓器の傷害によって決まり、症状強度や治療回数では決まりません。
- 顔面損傷・顔面瘢痕のWPIはどう評価しますか?
- 状態安定後、資格のある評価者がMotor Accident Guidelines Part 6の臓器・系統別方法を用い、因果、既往障害、重複を処理します。
- 手術・入院でWPIは自動的に上がりますか?
- 上がりません。重要な証拠ですが、治療後に残る永久機能障害と適用表で決まります。
- 痛みを別にWPIへ加えられますか?
- 通常できません。CTP GuidelinesはAMA4 Pain chapterを採用せず、痛みは関連する身体系統に含まれます。
- 保険会社が診断・治療を否定した場合は?
- 書面理由と根拠を入手し、内部再審査、対象を絞った専門資料、適切なPIC医療紛争手続を検討します。
内容確認日:2026年7月31日. このページは NSW CTP に関する一般情報であり、法律・医療上の助言ではありません。基準傷害、後遺障害率(WPI)、損害賠償は別の問題であり、事故状況、医学資料、現行ルールに基づいて個別に判断されます。