NSW CTP請求で家族介護や家事支援は支払われるか
By Herman Chan, Stephen Young Lawyers | Published 2026-05-13
短い答え: NSWの自動車事故後に家族が入浴、着替え、食事、掃除、送迎、子どもの世話を手伝っても、その時間が自動的にCTPから支払われるわけではありません。Motor Accident Injuries Act 2017(NSW)は、有料の治療・ケア、無償の家族による attendant care、負傷者が扶養家族に提供していた domestic services を分けて扱います。これは一般情報であり、法的助言ではありません。
最初に押さえるポイント
事故後に家族や友人が支えてくれた事実は、生活上とても重要です。ただし、NSW CTP制度では「助けてもらった時間」がそのまま賠償・給付になるとは限りません。まず、支援が有料サービスなのか、家族の無償介護なのか、扶養家族への家事サービス喪失なのかを分ける必要があります。
第3.25条は、gratuitous attendant care services について statutory benefits は支払われないと定めています。日本語で言えば、負傷者本人に対して家族や友人が無償で提供した付き添い・介護は、それだけでは通常、CTP statutory benefits の支払対象になりません。
しかし、そこで話が終わるわけではありません。商業ベースの有料ケア、清掃、リハビリ、作業療法、補助具、住宅調整、その他の treatment and care expenses は、第3.24条の「合理的かつ必要」で事故傷害に関連する支出として検討される場合があります。また、負傷者が扶養家族に無償で提供していた家事サービスをできなくなった場合は、第3.26条の別ルートが問題になることがあります。
根拠条文を平易に整理
中心になるのは Motor Accident Injuries Act 2017(NSW)の第3.24条、第3.25条、第3.26条です。第3.24条は treatment and care expenses、つまり治療とケアの費用に関する statutory benefits を扱います。費用が事故による傷害に関連し、合理的かつ必要であるかが重要です。
第3.25条は、家族支援で最も注意が必要な条文です。gratuitous attendant care services、つまり負傷者が費用を支払っておらず、支払う法的義務もない無償の付き添い・介護サービスについて、statutory benefits は支払われないとしています。そのため、家族が親切に手伝った事実を「当然に払い戻されるCTPケア」と表現するのは危険です。
第3.26条は別の話です。これは負傷者が事故前に扶養家族などへ提供していた gratuitous domestic services を、事故後に提供できなくなった場合の給付を扱います。親族が負傷者本人を手伝った時間の単純な時給請求ではなく、負傷者が本来していた家庭内サービスと、それに依存していた人、事故後の能力低下を具体的に示す必要があります。
根拠確認:Motor Accident Injuries Act 2017(NSW)ss 3.24, 3.25, 3.26、SIRAのCTP treatment and rehabilitation guidance、長期重傷者向けCTP Care情報、Personal Injury Commission (PIC) の治療・ケア紛争の枠組み。
混同されやすい3つの問題
無償の家族による attendant care
配偶者、親、成人した子、友人が、入浴、着替え、食事、服薬確認、移動、見守りなどを無償で手伝うケースです。第3.25条が主な注意点で、NSW CTP statutory benefits は gratuitous attendant care services には通常支払われません。
有料の治療・ケア
臨床的に支持され、事故傷害に関連し、合理的かつ必要で、請求書や計画で確認できる有料支援は別に検討されます。作業療法、リハビリ、有料介護、清掃、補助具、住宅調整などが問題になることがあります。
扶養家族への domestic services
第3.26条は、負傷者が扶養家族に提供していた無償の家事サービスを事故後に提供できなくなった場合の論点です。誰がそのサービスに依存していたのか、事故前に何をしていたのか、けがで何が変わったのかを具体的に示します。
家庭内支援の請求を安全にする証拠
役に立つのは、感情的な説明よりも具体的な比較です。「家族が全部やっている」だけでは弱くなりがちです。事故前に本人が何をしていたか、事故後に何ができなくなったか、誰が代わりにしているか、その必要性を医師や作業療法士がどう説明しているかを、タスクごとに整理してください。
機能制限を示す資料
- GP、専門医、理学療法、心理、作業療法の診療記録
- certificate of fitness や就労能力に関する証明
- 日常生活動作の制限を説明するリハビリ計画
- 必要に応じた自宅評価や activities of daily living assessment
- 一時的、継続的、改善中、悪化中のどれかを示す説明
実務・費用資料
- 有料清掃、介護、サポートワーカー、移動支援の請求書
- ケア表、サービス契約、事業者の推奨内容
- 事故前後の家事・育児・介護タスク比較表
- 扶養家族へのサービスが影響を受けた記録
- 治療、ケア、家事支援を拒否または制限した保険会社決定
保険会社が家庭内支援を拒否したとき
拒否理由は一つとは限りません。保険会社は、事故傷害との関連がない、合理的かつ必要ではない、証拠が足りない、既存の支援と重複している、または無償の家族による attendant care なので除外される、と説明することがあります。これらは別々の論点で、必要な反論資料も違います。
まず決定理由を文書で確認してください。問題が法律上の分類なのか、医学的根拠なのか、タスクの具体性なのか、請求書なのか、事業者の適切性なのかを分けます。治療・ケアの紛争であれば、内部レビュー、CTP紛争手続、またはPersonal Injury Commission (PIC) の手続につながることがあります。
請求を大きく言い過ぎない
家族生活が大きく変わると、「家族が助けた時間は全部支払われるべき」と感じるのは自然です。ただし、NSW CTPではその表現は安全ではありません。除外されるものと、正しい証拠があれば検討される可能性があるものを分ける方が、後のレビューやPICで説明しやすくなります。
有料の専門的支援が必要なら、治療チームに、なぜ必要か、事故傷害とどう関係するか、どのくらい続く見込みか、家族支援だけではなぜ適切・持続可能ではないかを説明してもらいます。扶養家族への domestic services が問題なら、誰が依存していたか、事故前に何をしていたか、けがで何が変わったかを記録します。
まとめ
NSWの事故後に家族が支えたことは重要ですが、無償の家族介護は通常、gratuitous attendant care としてCTP statutory benefits の支払対象にはなりません。一方で、有料のケア、治療、家事支援、補助具、または扶養家族への domestic services は、正しい条文と証拠に基づいて検討されることがあります。
保険会社がケア、家事支援、補助具、リハビリを拒否した場合は、拒否理由を特定し、機能制限、費用、タスク、事故との関連を整理して、内部レビュー、医療紛争、または広い請求戦略のどこで扱うべきかを判断します。
ケア・治療紛争について相談するよくある質問
NSWの事故後、配偶者や親が手伝っただけでCTPから支払われますか。
通常は、未払いの家族介護という理由だけでは支払われません。Motor Accident Injuries Act 2017(NSW)第3.25条は、gratuitous attendant care services、つまり無償の付き添い・介護サービスについて statutory benefits は支払われないと定めています。
有料のサポートワーカーや清掃サービスなら請求できますか。
可能性はあります。ただし、事故によるけがに関連し、合理的かつ必要で、医療・リハビリ・作業療法などの証拠と請求書で確認できることが重要です。保険会社またはCTP Careは、治療計画、機能制限、費用の妥当性を確認します。
attendant care と domestic services は同じですか。
同じではありません。attendant care は負傷者本人の日常生活や身の回りの支援を指すことが多い一方、第3.26条の gratuitous domestic services は、負傷者が扶養家族などに無償で提供していた家事サービスを事故後に提供できなくなった場合の別の論点です。
家庭内支援を求めるとき、どんな証拠が役に立ちますか。
GP、専門医、理学療法士、心理士、作業療法士の記録、リハビリ計画、事故前後の家事・介護タスク表、有料サービスの請求書、支援が必要になった時系列、保険会社の拒否理由が役に立ちます。